ほろ酔い日記 5
「ママ、こんちわ~、2月からのコロナまん延防止措置も昨日で解除されて、大っぴらに、ようやく外で飲めるになったね! 今日は寒いからまずは熱燗2合ね。」
「何言ってんのよ、いつも大っぴらに飲んでるんじゃないの! ところでコロナも早く飲み薬が出ればいいのにね~。」
「それだよ、それ、今日のお題は。2月28日に塩野義製薬の飲み薬が承認申請中とネットに出ていたけど、実は2年前の2020(令2)年2月にも“富士フィルム富山化学”という製薬会社が2014(平26)年に製造販売承認を得ているアビガンという抗インフルエンザウイルス薬という錠剤があったんですよ。」
「ふ~ん。それがどうしたの。」
「このアビガンという錠剤は、コロナウィルスの増殖を防ぐ効果があるとして当時、コロナが流行りだした中国国内で治療薬として使われていたんだって。中国科技部もアビガンに関する臨床実験をしたところ、良好な結果を得たと発表し、これを承認しているんだけど、日本ではなぜか未だに承認されていないんです。」
「日本の製薬会社が開発して、他国でも認められているコロナ治療薬が、どうして日本で承認されてないの? その理由は何なの。」
「結論を言うとね、安倍さん、その次の菅さんという総理大臣や、官房長官や事務次官や局長が“アビガンをコロナ治療薬として承認するよう”指示しても、その下の厚労省の薬系技官や医系技官の反対にあって、いまだに承認されてないそうです。」
「えっ! 厚労省の何とか技官ってそんなにエライの?その人たちは上司の言うことを聞かなくてもいいの?クビにもならないで済むの? そもそも承認しない理由は何なの?」
「うん、承認しない理由だけど、これは単なる俺の予想だけど、①開発した富士フィルム富山化学が大手製薬会社ではないから。②厚労省の薬系技官や医系技官らは自分たちが”ルールブックだ“という主導権を放したくないのと、厚労省の審議会も製薬業界も彼らに逆らえないという仕組みになっているから。③試験成績のみからアビガンの有効性を明確に判断できない等未承認理由はいくらでもあるからだと思うよ。」
「こういうのを見ていると、ほんと、日本って駄目な国ね~。50年以上昔からあれほどガンに効くといわれている丸山ワクチンを今でも国が承認しないでいるという事を思い出すわね。」
「そうだよ、日本医科大学の皮膚科教授だった丸山千里氏が開発し、50年経ってすでに40万人も越えるがん患者に利用され、副作用もなく、大きな効果があるガンの治療薬なんだよ。」
「国はそれをどうして承認しないの?」
「そこだよ、当時日本の医学界首脳は丸山医師に先を越され、反感を持っていたし、その業績を認めたくなかった。厚生省は薬の製造承認の判断を中央薬事審議会に任せていたが、認可は下りなかったのだが、なぜか同じ時期に2種類のガン治療薬を承認しているんだけどね。」
「当時の中央薬事審議会の調査会のメンバーの一人への取材では、丸山ワクチンの不承認は、事前に厚生省との間で決まっていた。と答えているんだよ。」
「それが本当だとしたら大変なことじゃない?」
「そうだね、さらに8年後のことだけど、厚労省は丸山ワクチンの申請時にスピード承認されたガンの新薬2種類は、単独使用での有効性を否定したんだよ。すでにこの時までに新薬2種類には1兆円以上の医療費が注ぎ込まれていたんだけどね。誰も責任を取っていないし、国民を裏切る酷い話だ。」
「2023年をメドとした臨床結果によっては、丸山ワクチンはようやく制癌剤として国に認可される可能性もあると言われているんだよ。」
「考えてみればね、ママ、今回のアビガンの未承認も丸山ワクチンの未承認も、その経緯はそっくりだと思わない?」
「本当にそっくりだわ。国民をバカにしてるわ。やりきれないね。」
「厚労省の薬事関連技官などの、その根源にあるのは何だろうね。本当に国民のためになることなのに、自分たちだけの“権威意識” と“新参者への排除と嫉妬心”だよね。ママそう思わない? 悲しくなると共に、人間って空恐ろしい生き物だなぁ。とつくづく考えさせられるね」
「人間というものは、底意地悪く、油断のできない生き物なのよね。」
「はい、今日市場で仕入れたとっておきのマグロの中落ち。ちょっとだけど、どうぞ。」
「おっ、脂乗ってるね。旨いね。熱燗もう一本だけ!」