ほろ酔い日記 7
「ママ、こんちは~、今日は4月になって少し春らしくなってきたからハイボールにして!」。
「なにっ? 春だからハイボール? まっ、いいか。ところで今日のお題は?」
「新聞に出てたんだけどね、性同一障害の50代の経産省男性職員が勤務先の女性トイレが使えないのは不当だといって、国に1700万円の損害賠償を求めた裁判を起こしたんだって。」
「あー、それって、ジェンダーアイデンティとか言って、女性なのに自分は男として生きるのがふさわしい、男性なのに本当は女として生きるべきだと考える人のことね。」
「そうそう、2019(令1)年12月に東京地裁の判決では<自己の認識する性別に即した社会生活を送るという重要な権利を制約している。>と判断し、トイレの使用制限を違法と認定し国に132万円の賠償を命じたんだって。」
「ヒエ~、その裁判官もおかしくない? それで国は控訴したの?」
「うん、国がこれを控訴したら、東京高裁は一審判決のトイレの使用制限の違法性を否決したんです。一方で、健康上の理由で性別適合手術を受けていない原告に対し、上司が<手術を受けないなら男に戻ってはどうか。>と発言した点は一審同様違法性を認め、国に11万円の賠償を命じたんだって。」
「ところでその原告の男性職員は、普段は男のままの姿なのそれとも女性の服装なの?」
「その男性はね、2010(平22)年から女性の服装で勤務していて、職場から2階以上離れたトイレを使わせているんだって。」
「ふ~ん。もしもよ、最初の東京地裁の一審の<自己の認識する性別に即した社会生活を送るという重要な権利を制約している。>という判断が正しいとするなら、社会の考え方を根本から変えなければならないよね。そうなれば、公共施設や各職場や飲食店などトイレを一つ余分に増やさなければならず。大変な出費だね。可笑しいけど、笑ってる場合じゃないよね。」
「参考までにアメリカの状況だけど、5年ほど前にノースカロライナ州やインディアナ州では、トイレ法案が提案され、<体が男性の人は女性トイレに入ってはいけない。逆に体が女性の人は男性のトイレに入ってはいけない。>との法律ができてるんだって。」
「そういえば、ネットで見たけど、カリフォルニアのレストランで、心と体の性が一致しないトランジェスターの男性客が女性用のトイレに入ったことで、注意されたことが原因でもめて裁判になっているそうね。大変な時代になったわね~。」
「日本もアメリカを見習って、法律で定めるとか考えなきゃね。」